口に入れると、醤油の甘辛さが染みた肉が舌の上で溶け、ほんのりとした八角の香りが鼻を抜ける。吉祥亭の豚の角煮ラーメン980円

新宿 吉祥亭。以前、「餃子酒場 パンダ」という店名でやっていたところだ。

ダンダダンより肉汁が100倍の餃子が美味しい。平日ランチ　新宿御苑前駅から徒歩3分の餃子酒場 パンダ

テーブルに運ばれた瞬間、思わず目を奪われる。大きな丼にたっぷりと注がれたスープの中、堂々と鎮座するのは艶やかに輝く豚の角煮。

その姿は見るからに柔らかく、箸を入れれば繊維がほろりとほどける。ゆっくりと持ち上げると、脂身はとろりと滴り、赤身はホロホロと崩れていく。

個人的評価点数

口に入れると、醤油の甘辛さが染みた肉が舌の上で溶け、ほんのりとした八角の香りが鼻を抜ける。まさに至福の角煮である。

スープをひと口――あっさりとした醤油ベースで、角煮の濃厚さと対照的な軽やかさを持つ。ただ、旨味が物足りない。

鶏ガラや豚骨の奥深いコクを期待すると、どこか淡白に感じるかもしれない。しかし、ここは角煮の味を引き立てるためのシンプルさと割り切るべきだろう。

添えられた青梗菜がほろ苦く、口の中をリセットする役割を果たしているのは好印象だ。

そして、このセットのもう一つの主役であるチャーハン。小皿に控えめな盛り付けながらも、黄金色の米がふんわりと広がっている。

しかし、スプーンを差し込みひと口運ぶと、予想以上に普通 という現実に直面する。米はパラリと仕上がっているが、味の輪郭がぼやけ、香ばしさに欠ける。もう少し塩気や旨味がほしいところだ。

小鉢に目をやると、刻まれたキャベツが控えている。彩りとしては悪くないが、ひと口食べれば塩気が強すぎることに気づく。

ドレッシングの塩梅がやや乱暴で、単体で食べるにはしょっぱすぎる。しかし、チャーハンと組み合わせればバランスが取れるかもしれない。

そう考えながら、試しに一緒に食べてみると、なるほど塩気と油分が絡み合い、意外にも悪くない組み合わせとなる。

店内は静かで、客はほとんどいない。ガヤガヤとした喧騒がないぶん、落ち着いて食事を楽しめるのは利点である。

ゆったりとした時間の流れの中で、じっくりと角煮の旨味を堪能するのも悪くない選択だ。

総じて、このセットの主役は明らかに豚の角煮である。 角煮だけを目当てに訪れる価値は十分にある。

しかし、スープやチャーハン、小鉢には若干の惜しさが残る。とはいえ、このホロホロの豚肉の誘惑に抗うのは難しく、また気づけば足を運んでしまうのだろう。

お店の詳細

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