新宿三丁目駅から徒歩5分　そば処 更科

メニュー

セット

カツ丼セット　1,100円

温かい麺類

かけ　600円

素朴な見た目に反して、奥深い味わいを秘めている一杯である。見た目こそそうめんを思わせる細さと繊細な食感を備えているが、口に含んだ瞬間、鰹の芳醇な香りがふわりと鼻腔をくすぐる。まるで、古い町の片隅で、年季の入った暖簾をくぐった時のような安心感が広がる。

そばを啜ると、その柔らかさとともに、しっかりとした出汁の旨味が舌に染み渡る。派手さはないが、じわりと心に染み込んでくるその味は、まさに日本の風土が育んだものだ。さっぱりとした飲み口の中に、確かな満足感があり、一口ごとに食べ手をやさしく包み込む。

このかけそばを前にすれば、慌ただしい日常の喧騒も一瞬にして忘れさせてくれる。そのシンプルさが持つ力、控えめでありながら確かな存在感——それが、この老舗店のかけそばの魅力である。

鴨南蛮　950円

まず目に飛び込んでくるのは、大ぶりの鶏肉が4つも浮かぶその姿。その鶏肉は、まるで親しい友人のように、どこか懐かしさを感じさせる。噛むとじゅわっと広がる旨味が、出汁の中で穏やかに溶け合い、そばの風味と絶妙な調和を奏でる。

スープは、しっかりとした味わいながらも、決して主張し過ぎない。まるで優しい語り口の物語のように、じんわりと身体を温め、心をほぐしてくれる。ネギの爽やかな香りがアクセントとなり、全体の味わいに軽やかさを加えている。

そばの歯ごたえは、昔ながらの素朴さを感じさせ、スープと絡むことでその風味を一層引き立てる。噛むたびに、懐かしい記憶が蘇り、時の流れを忘れさせるようなひとときが訪れる。この鶏南蛮そばは、ただの一杯のそばではない。そこには、長い年月を経ても変わらない、普遍的な美味しさと、心の奥底に響く安らぎが詰まっている。

この一杯を前にすれば、誰もがその魅力に抗うことはできないだろう。すぐにでも食べに行きたくなる、その魅力は、まさに食の温もりそのものである。

つけ麺

冷やし鶏南蛮　900円

外観、店内